◇第16回目!サラウンドについて◇
 
ども、土屋です。
春になったと思ったらいきなり寒くなりました。とはいえ、今年の長野市街は結 局一度も雪が積もりませんでした。最近は色々忙しくて長野にいない日が続いて いますが、毎年のようにある「今日長野で大雪が降ったらしい!東京にいてラッ キー」ということも一度もなく、ちょっと残念です(笑)。

さて、今回はちょいと唐突ですが、アルトネリコとサラウンドについて。前から 話そうと思っていて、ずっと話さずじまいだったネタでもあります。アルトネや 私の作品は何故サラウンドなのか、という話をしたいと思います。

■サラウンドにこだわるワケ
といいつつ、半分は個人的趣味な訳ですが(笑)、2000年作品でもあるアト リエ3作目「リリーのアトリエ」以降、私が音に関わっている作品には必ずサラ ウンドを採用しています。
アトリエシリーズでサラウンドを起用していた理由は非常に単純で、「ステレオ よりも表現力があるサラウンドというもので、更なる「音」の可能性を見つけた い」というものでした。ウチの(というか私の…)技術力では、到底ハリウッド 映画には敵いませんが、何もリアリティや臨場感だけがサラウンドの醍醐味では ないだろう、という事を当時から思っていましたから。
ゲームでサラウンドを使うということの意味は、臨場感や立体感、というものよ りも、タッチペンや感圧センサ、ジャイロなどのような新インターフェイスを駆 使した新しいゲームを創るのと同じような感覚が有ると思うのです。要するに、 前から後ろから、そして低音がズドーンと出るサラウンドは、色々面白い遊びが 出来そうだ、という感じで、私は日々試行錯誤していたのです。
ただ、アトリエの音を創っていたとき、それは効果音に留まっていました。映画 でもそうですが、サラウンドがその威力を発揮するのは主に効果音ですから、そ ちらにばかり気をとられていたわけです。

■ヒュムノスがサラウンドな理由
そんな中、アルトネリコという作品を手がけるチャンスを得ました。アルトネリ コは、とにかく歌曲がゲームの売りです。企画立案当初からそれは確定していま したから、ただの「歌入りゲーム」にはしたくなかった。詩を謳う種族、その詩 によるシステムや魔法…といった形で、単なる挿入歌でしかない他のゲームとの 差別化を図り、完全に世界観を持った「詩」を創造しました。そうなってくると、 その詩の表現にも、通常の楽曲とは違う「何か」を入れたいところ。そこで登場 したのが、サラウンドによる詩のMIXです。
現在、市販のCDや歌は、当たり前のようにステレオ(2ch)です。5.1ch の歌曲は殆ど聴いたことがないと思います。だから、トコトンやってやろうと思 い、まずモデルとして謳う丘を創りました。そしてそれを社外の作曲家さん達に 聞いてもらい、何がしたいのかを伝えました。
アルトネリコでは、レーヴァテイルが歌っている臨場感を実現するものとして、 そして歌が魔法であるその「魔法」を体感できる要素として、サラウンドを使っ ています。人間が歌っている詩とは違う、新たな歌を確立したく、アルトネリコ はサラウンドを追求したわけです。
常に新しい事を追求していけば、常に新しい話題と遊びを提供できます。音楽も 同じ。ステレオにこだわらず、サラウンドで音楽を創ったことで、ヒュムノスの 面白さはぐっとアップしました。サラウンド環境をお持ちの方からは、「サラウ ンドで聞いたら全然違う、是非オススメ」という声を沢山頂いています。こう言っ た声が聞けた時、複雑怪奇なサラウンドミックスでスタジオに3日間こもった日 が、初めて輝かしく感じられたりするのです(笑)。

■手っ取り早くサラウンドでヒュムノスを聴く方法
ヒュムノスをサラウンドで聴ける環境は、ゲームをプレイするのが一番なのです が、もっと手っ取り早く聴く方法もあります。実は、OVA版アルトネ リコのオマケに「Tiny hymmnos concert」というのがありまして、そこで、 ゲーム内楽曲の中から数曲をセレクトした、完全5.1chMIXをお楽しみ頂 けます。実はゲームで聴くよりも、こちらで聴く方がよりサラウンド効果が高く、 本当に歌声や音がグルグルと周りを回るのがわかると思います。 もし興味が有れば、是非聴いてみてください。

さて、今回はサラウンドについてのお話でした。お陰様で、アルトネリコでサラ ウンドに興味を持ってくれる方が非常に多くいらっしゃって、アンケートでも6 割以上の方が「サラウンド機材を持っている」もしくは「興味がある」との回答 を頂いています。
そこで次回は、「興味はあるけど何を揃えたらいいか分からない」という方のた めに、お部屋や環境に適した機材の紹介をしてみたいと思います。サラウンドを 体感したら、ヒュムノスはもっと面白くなりますよ。 それでは、また次回!