こんにちは、土屋です。
精神世界解説も今回で4回目になりました。半分を超えて、いよいよアルトネリ
コ2に突入ですね。今回はルカの精神世界に焦点を当てて、アルトネリコ2の精
神世界についてお話ししていきましょう。
アルトネリコ1で精神世界を構築するとき、「精神世界というくらいだから、人
間の汚い部分や葛藤、恥ずかしい部分なども、ありのままに表現したい」という
ビジョンがありました。そうすることによって、そのヒロインのことをより深く
知ることが出来、時には自分しか知らないようなことを見ることが出来たりとい
う感じで、ヒロインについて立体的に知り親近感が湧いたり、感情移入がしやす
くなるのではないかと考えたためです。
それでもやはり、アルトネリコ1では想定まで行ききれなかったり、オリカとミ
シャで根本的な部分が似てしまっていたりと、後で思い返せば幾つかの反省点が
有る状態だったのです。そこでアルトネリコ2では、より深く、よりむき身の精
神世界を表現したい、という事で、アルトネリコ1以上の掘り下げをしながら精
神世界を構築していきました。
その為、アルトネリコ2のヒロインは精神世界構築の為にヒロインの生まれてか
らの歴史から趣味趣向、こういう生活や、こういった出来事があったからこそ今
この性格なのだ、こういった考え方をするのだ、という所まで、様々な観点から
詰めていっています。
ルカはそういった「本当の心」を表現する事を目標にして作った一番のキャラか
もしれません。アルトネリコ2では、ヒロインそれぞれで表現する方向性を変え
ていこうと考えていました。ルカは、より人間が本来持つ葛藤や後ろめたさ、悲
しさ嬉しさなどの感情をトコトン突き詰めて、リアルなキャラ像を創りあげてい
こうというコンセプトで制作しています。逆にクローシェは、より記号的でエン
タテインメント性を重視した、舞台的、ドラマ的な精神世界として制作しました。
そして、アルトネリコ2のヒロイン3人の中で、精神世界の構築に一番時間がか
かったのはルカだったのです。
コンセプトからもお分かり頂けるかも知れませんが、ルカの精神世界は、一番本
音と本気でぶつかって制作していった世界です。特にレベル6以降は、3,4回
進行の変更と没を繰り返して現在の形になっています。精神世界の特性上、最後
は大団円で終わりたいという事もありながら、安易な落ち着け方はしたくない、
という想いが強く、レベル6〜7を書いていると、何度書いても辛い結末にしか
落ち着かないという状態になっていました。人は一人で悩んでいると越えられな
い壁があり、そういうときに周りの人が助けてくれる事が多々あります。クロア
はルカにとってその役割であり、クロアがいることでレベル9で大団円を迎えら
れる筈なのですが、、クロアとのやりとりを経ても大団円に向かうことが出来ず
に随分悩んだのです。実際、それを助けてくれたのはゲンゴローでした。レベル
8のゲンゴローの話は、ルカにとって最も辛かった過去である「母親との乖離」
を完了するための話です。この話を制作していて、自分自身でも改めて、ルカの
一番の心の傷は母親の事だったのだと気づかされたものでした。
そして、本当に正直に申しまして、ルカの精神世界ではクロアが表舞台に立つこ
とは殆どなかった。それは、ルカにとってはクロアよりも大きなものが沢山有る
ことの裏付けであり、残念ながら、それを覆す事を最後まで出来ずに終わってし
まった(簡単に言えば、クロアをルカの精神世界の中でヒーローにすることが出
来なかった)のです。これに関しても大いに悩みました。ゲームである以上、主
人公が一番輝いていて、主人公が全てを解決するというのはとても華々しく、ゲー
ムとしての理想の形の1つだと思っています。それが達成されていないという意
味では、エンタテインメント性として弱いのではないかと、かなり心配になりま
した。一度は完成後、またレベル6以降を全部描き直そう…と思ったこともあり
ました。ですが、最終的には現在の形に落ち着きました。それは「世の中には色
々な関係があり、ルカとクロアの関係もこういう関係でいいじゃないか」と思っ
たためでした。クロアはルカの全完了の為に大切な事は沢山してきましたし、ル
カの成長を影で支え続け、ルカが踏み出せないところで後ろから一押ししてあげ
て…主人公としては目立たない活躍ではありましたが、それでもルカにとってと
ても重要な事を沢山しているのです。ルカが苦しんでいるときも、ルカがクロア
を傷つけようとしたときにも、騙そうとしたときにも、クロアはルカを優しく包
んであげて、ルカに勇気を与えてあげる、一押ししてあげる…。そんな精神世界
のカラー自体が、正直な二人のカラーなのではないか、と思ったのです。
ルカの精神世界はかなりの冒険でしたし、発売後も賛否両論飛び交いました。た
だ、私としてはルカの精神世界はやり切ったと胸を張って言えます。もちろん毎
度ながら反省点は沢山ありますが、それでも、とても大好きな精神世界なのです。
それでは、今回はこの辺でおいとまいたします。
また次回!
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