◇アルトネリコサミット2011【第10回】
「ヴィジュアル・演出」についての回答◇
こんにちは、土屋です。
5月に入り急に暑くなってきて、いよいよ夏、という感じになってきましたね。 今年は電力の心配も有りますが、皆さんにとっても楽しい夏となるよう心から願っ ております。
さて、前回より、演出方面の意見交換を開始しました。
今回も多数の投票、コメントありがとうございます。毎回、皆さんのコメントを 拝見させていただきますと、全くのバラバラという事はあまりなく、だいたい1 つの方向性を向いているように感じます。これらを上手くくみ取り、今後の制作 の参考に出来れば、より良いものが作れるように感じます。
今回は題材が題材という事もあり、また、この手の話を初めてする、というもの もありましたので、開発秘話的なお話しがメインとなってしまいました。もう色 々なところで開発秘話は語り尽くした、と思っておりましたが、まだ話していな いものもあるものですね。
今回は、全6議題中、3つについて回答しております。
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ィジュアル面の感想になりますが、シリーズ恒例の3Dのワールドマップがとても気に入ってます。塔一本きりという世界観が有無を言わさず味わえますし、特に高低差が良く、他のゲームでは味わえない縦の広さが新鮮に味わえて楽しめました。
ただ、視点や見える範囲が制限されているのが非常に残念でした。1の塔の上から真下を覗き込んで見たり、2でもっと広い範囲を見まわしたり、3でぐるっと塔の周りを回って見たりしてみたい、などと毎回感じてます。
折角の塔の3D模型ですし、完全に自由は難しくても、少しだけ
自由に塔と世界を眺められるモードがあると嬉しい
のですが・・・。
(長門.)
同感です 133票
一部同感です 14票
違う意見を持っています 11票
同感、一部同感にかかわらず、御意見を拝見しておりますと、世界観をもっと堪能したいというものが多数あるようです。
ここで少し昔の話をしたいと思います。
アルトネリコ1で、他が全部2D表現にもかかわらず、ワールドマップだけ3Dにしたのには、強い想いがありました。それは「高低差を見せたい」と思ったためです。
アルトネリコの醍醐味は「塔」だけという世界観であり、当初からその高低差、特に「高いところから見下ろしたときのゾクゾク感」を表現したいという想いが強くありました。
2Dの絵で塔を描く場合、一枚のワールドマップ画面ではその表現は不可能です。沢山の一枚絵(ポインタ毎の絵)を用意して、その絵のパースをきつくして「高い!」感覚を作れないかとも考えてみました。ですが、最終的には3Dに勝るものには出来ないだろうという結論に達しました。
3Dの優位な点は「動き」です。高いところが「高い」と思えたりするのは、実は静止画的なものよりも、遠近感の微細な動きによって感じるものだったりします。要するに、人間は高いところから下を見たとき、ちょっと横にずれたりしたときの、近いものと遠いものの揺れ方(動き方)の違いから遠さ(高さ)を感じるのです。
故にアルトネリコでは、実は開発母体であるガストの他プロジェクトよりもワールドマップに対しての予算比率が大きく、力を入れている場所であったりもします。アルトネリコ1ではその高低差を、アルトネリコ2では主に空気感や幻想感といったものを、アルトネリコ3では見上げたときの壮大感を大切に制作しました。
そして個人的には、皆さんも感じていらっしゃるように、自由に動き回れるワールドマップを望んでいましたが、最終的には有る程度カメラ位置を固定する方向での制作となりました。
その理由は、限られたリソースの中で最大限のものを制作する為です。全方位に渡って完璧なものを作るには莫大な労力と時間が必要でありますが、プロジェクトには時間にも予算にも制限があります。その中で、少しでもクオリティを上げ、より臨場感ある正解感を作るために、見せる場所を限定し、その箇所を徹底的に作り込むという手法をとらせていただいております。
それでも私個人では、どこまで行っても世界が続き、どの方向からも自由に眺めることが出来る、箱庭的な世界マップを作りたいという想いは消えておりません。
『
ヴィジュアル・演出』についてですが一番言いたい事があります。
【何故3での戦闘でレーヴァテイルが動きながら攻撃してくるんですか!?】
上記の1つにつきます。最初にエンカウントした時は口があいたままになりました。3のプレイでもレーヴァテイルを守りつつ戦闘なのに、敵レーヴァテイルは移動してる? しかも詩魔法使ってる!? とあんぐりした覚えがあります。
これ以降、演出としても(既にさんざんに論議されているでしょうが)ヒュムネクリスタルを詩っている最中なBOSSが移動したりと、とことん良い常識だった部分を破壊された演出でした。
唯一感動したのが、サキとアオトのBGMがゆめいろクレヨンの別れのシーンでしょうか。それ以外では戦闘の詩魔法でアルポータルの話を出すとか、分かる人にしか分からない演出。これは3で初買いした友人に聞かれて「そんな内輪ネタわかるか」となり、1と2を勧めても3の悪印象でもうやらないと断言されたりと悲しいばかりでした。
クレームのつもりは無いですが、1・2で壮大な演出だったヒュムネクリスタル。凄い演出の詩魔法。全てが3で壊されました。服パージも脱衣だけでなく、塔のエネルギー吸収なら最後は下着じゃなく背中に色んな形の羽とかで吸収・増幅している演出程度でよかったと思います。全裸に近い姿はトークマターやダイヴで出せば良くて、戦闘ではパージラストモードは塔の力全力吸収・増幅と戦闘らしい綺麗なかっこよさが欲しかったのが本音です。
(SmoKer)
一部同感です 94票
同感です 31票
違う意見を持っています 13票
アルポータルネタのような、「既にアルトネリコをプレイしている(更にはゲーム以外にも親しんでいる)方にしかわからない演出」に関しては、現時点では私自身としましても、控えた方が良かったと感じております。本来アルポータルはゲームの派生であり、そこにゲームを連結することは、世界観の崩壊にも繋がるためです。これに関しては、私個人としても深い反省点として残っている部分であり、今後同様の事を行うことは無いと思います。
レーヴァテイルの設定に関しては、アルトネリコ3におけるシステム面と世界観面の突き詰めが甘かったことに原因があります。アルトネリコ1,2に関しては、レーヴァテイルという存在を「戦闘システム設計レベルで重要なシステム処理であった」のに対し、アルトネリコ3の戦闘は、その辺りがおざなりであったことは否めません。もちろん、アルトネリコ3の設定的に、戦闘に出ているレーヴァテイルは「戦闘訓練を受けたクラスタニアのエリート」という事になっていますので、設定的な矛盾が生じたままでの制作をしていたわけではありませんが、個人的にはもう少しスマートな(世界観を盛り上げるような)設定に出来なかったものかと今では思う次第です。
アルトネリコが他のゲームと違うと(少なくとも私自身は)思っている点は、システムもシナリオも全て、「世界観設定が有る上で、それを実現する手段」として存在しているというコンセプトで制作している点です。その点において、3のレーヴァテイルに関する設定の甘さ、そしてゲーム外のファンサービスからゲーム内へのネタ還元は、そのポリシーを脅かし、世界観を薄くしてしまう原因になっていたと感じております。
この件に関しては、今後制作をしていく上での重要な注意点として捉えていきたいと考えております。
私
は
モブにも立ち絵を入れて欲しい
と思いました。
もちろん通行人AやBにまで入れて欲しいとは思いません。ですが、よく行くダイブ屋の親父やライナーにメルクを教えた人みたいな、比較的登場回数が多いと予測される人達には立ち絵があってもいいと思います。
(1111)
主要キャラ以外の立ち絵は必要だと思いますか?
もし必要であれば、具体的に誰に立ち絵があれば良かったと思いましたか?
一部同感です 63票
同感です 54票
違う意見を持っています 26票
もちろん、立ち絵は多い方が良いのは間違いないです。後は、どこで線引きするかという問題になります。アルトネリコは1〜3に至るまで、何人かのキャラにおいて「この子には立ち絵が欲しかったなぁ」というキャラは、逆に必要なかったかも、と思うキャラがいます。
例えばアルトネリコ1では、ポチョマー先生やナールなどは立ち絵が欲しかったと今でも思っています。これらは主に制作進行の理由による断念ですが、2では後々になってから無茶振りによって入れてもらった(立ち絵を描いて貰った)キャラがいます。それが、スピカを除く調合店主達(シンシア、さーしゃ、空猫)です。結構無茶しましたが、発売後の皆さんの評判を拝見しておりますと、入れて正解だったと思っております。
これらの流れの悪さは、制作時のスケジュールが上手くかみ合わない為によるものでした。すなわち、キャラ絵は比較的早めに描き始めますが、結果的に盛り上がってしまったキャラというのは、シナリオを書き終わる頃(開発末期)に出てくるもので、その時になって「この子のキャラ絵が欲しい」と思っても既に絵を描いている時間はない、という感じです。
その意味で、過去に一番残念だったのはノノちゃん(アルトネリコ2の、ルカの友達)でしたね。
この辺りは、今後、作業進行計画において予備を用意しておく、時間を用意しておくなどして対策を立てていく形で対応していきたいと考えております。極論的には、シナリオ脚本をかなり早い段階で上げるのが一番ではあるのですが…。